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5. 餌仲間

ผู้เขียน: 霞花怜
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-06-07 20:00:47

 昼餉を終えると、部屋に案内された。

 先に買われた子らがいる部屋だ。蒼にとっては餌仲間だ。

 広々とした和室にいたのは、昨日、紅の後ろに控えていた少年二人だった。

「紅様~! もうすぐニコのお時間? いつもみたいに遊べる?」

 少年が紅に抱き付く。

 頭を撫でると、蒼に向き合った。

「新しいお友達だよ。蒼っていうんだ。仲良くしてね」

 紅の腕の中で、少年がニコリと笑んだ。

「初めまして、ニコだよ。よろしくね、蒼」

「うん、よろしく」

 ニコと名乗った少年は、昨日喰われた色と同じくらいの年齢に見えた。

 色白で白髪、紅と似ている。

 耳も尻尾も生えているから、紅の妖術で体が変化しているのだろう。

 長く術にかかっているのだろうと思った。

「で、彼が芯だよ。理研から来た子で、十六歳。蒼の一つ年上だよ」

 芯が蒼を見詰めて、ぺこりと頭を下げた。

 彼には見覚えがあった。

 理研の同じ施設で生活していたと思う。

「蒼、です。よろしく」

 二人の様子を眺めると、紅がニコを抱いて立ち上がった。

「じゃぁ、俺はニコと遊んでくるから、それまで芯に色々教えてもらってね。芯、頼むね」

 芯が、ぺこりと頭を下げる。

 紅がニコを抱いてその場を去った。

 芯と二人きりになり、何となく気まずい。

 蒼をじっと見詰めていた芯が、部屋の中に入って、ごろりと寝転がった。

「適当に楽にしてろよ。屋敷の中の案内とか必要なら、するけど?」

 何となく部屋に入って、芯の隣に腰掛けた。

「してほしいけど、今じゃなくていいよ」

 蒼を眺めて、芯が起き上がった。

「お前、理研にいた奴だろ。霊元移植されて、待遇上がったんじゃねぇの? 結局、売られたの?」

 その問いには頷くしかない。

「僕は、|blunder《失敗作》だったみたいだよ。霊元は定着したけど、術とか使えなくて。霊力が多い被験体を希望した紅様に売られたんだ」

「ふぅん」

 芯が鼻を鳴らした。

 納得いかないような、不機嫌そうな顔だ。

「結局、好き勝手いじってダメなら売り捌くのかよ。人の命、何だと思ってんだろうな、あの所長は」

 またゴロンと横になり、芯がうつ伏せになってしまった。

「芯は、まだ来たばかりなの?」

 芯には紅の妖術が浅いように見える。

 耳も尻尾もまだ生えていないし、日本人特有の黒髪黒目のままだ。

「一週間以上は経ったかなぁ。理研より全然待遇いいし、かなり快適だぜ。喰われる予定じゃなきゃ、もっと良かったけどな」

 芯が、ごろんと仰向けになった。

「紅様は優しいし良い妖怪だし大好きだけど、俺がそう思うのは全部、紅様の妖術のせいなんだってさ」

「それ、誰に聞いたの?」

 芯が、ちらりと蒼を眺める。

「紅様だよ。正直に話してくれんのも、良し悪しだよな」

 芯の言う通りだなと思う。

 紅の性格なのかもしれないが、知らない方が幸せな事実も、この世にはある。

「芯は喰われるの、嫌なんだね」

 ぽつりと零れてしまった。

「蒼は喰われてぇの?」

「僕は。楽に死ねるんなら、それでいいかなって思ってる。昨日、喰われた色って子は、辛そうじゃなかったから。気持ちよく死なせてくれるなら、紅様に喰われてもいい」

 芯が小さく息を吐いた。

「俺もさ、ここに来たばっかりの頃は、蒼と似たように思ってたよ。けど、今はちょっと違う」

 蒼は芯を振り返った。

「飯、美味かったろ。布団もふかふかで寝心地、良かっただろ?」

「うん……」

「こういう生活もあるんだなって、初めて知った。こんなに良い生活じゃなくても、理研よりマシな生活も、喰われない未来も、俺にもあるんじゃないかって、思い始めた」

 芯の発言に、心臓が嫌なざわつきをした。

「……逃げるの?」

 芯は天井を見詰めて、黙り込んだ。

「紅様は優しいけど、逃げたら流石に怒るんじゃ……。それより、ここって幽世だよね。僕たちが住んでた現世とは、違うんでしょ?」

 現世と幽世では住んでいる生き物も、世界さえ違う。

 自分たちの常識など、通用しない。

 人喰がまかり通っている時点で、人間の地位は高くないだろう。

「ここは|瑞穂国《みずほのくに》って幽世で、妖怪が住んでる国だ。妖術が強い奴ほど地位が高い。紅様は妖狐で、瑞穂国じゃ、かなり高位の妖怪だよ。友達が王様みたいな話、前にしてたし」

「王様⁉」

 芯が頷いた。

 統治者に知己がいるのだから、紅自身も身分が高い妖怪なのだろう。

 これだけ広い家に住んでいるのだし、金に困っている風でもない。

 現世から人間を月一ペースで買えるくらいには裕福なのだ。

「だったら、逃げたりしたら余計にダメだよ」

 今の芯の話からして、危険な要素しかない。

「けど、ここに居たら確実に喰われる未来しかないだろ」

 芯が起き上がって蒼に向き合った。

「蒼が乗り気だったら一緒に逃げようって誘うつもりだったけど、無理そうだな。保輔みたいな奴だったら、イケたんだけどな。ま、危険なのは確かだし、無理に誘う気はねぇよ」

「保輔?」

 芯が、ちらりと蒼に目線を送った。

「伊吹保輔、覚えてねぇ? masterpiece候補のくせにbugに構ってたヤツ。理研潰して救い出すから諦めんなって言って回ってたヤツ、いただろ」

「関西訛りが強い人?」

「そうそう。アイツだったらきっと、大人しく食われたりしねぇんだろうなって思ってさ」

 芯が笑顔で語る。

 きっと保輔が好きだったんだろうと思った。

「俺の|芯《しん》て名前は、ヤスに付けて貰ったんだ。アイツが理研潰す前に、俺は売られちまったけどさ。ヤスなら、きっと諦めないで今も頑張ってんだろうからさ。だから俺も諦めたくねぇなって思ってさ」

「そうなんだね。彼は保輔って名前だったのか」

 蒼には眩しすぎて直視できなかった、太陽みたいな人だ。

 今でも、とても傍には行けないと思う。

「芯は現世に帰りたい? また保輔……君に、会いたい?」

 芯が考える顔をした。

「現実的に、自力で現世に帰るのは、難しいよな。だったらせめて、この国で幸せになる方法、探してぇよ」

 前向きで明るくて、芯も充分すぎるほど蒼には眩しい人だ。

「紅様に相談してみるのは、ダメなのかな? そういうお願いは、聞いてもらえないのかな」

「無理だろ。紅様がいくら優しくても、あくまで俺たちを餌として買ってんだ。肥やすために可愛がってるだけだぜ。みすみす逃がすとは思えねぇよ」

 間髪入れずに帰ってきた答えに、蒼は言葉に詰まった。

「……じゃぁ、芯は、逃げるの?」

 蒼の問いかけに、芯が顔を逸らした。

「……まだ、本気で考えてるわけじゃねぇけど。蒼は残るんだろ。今の話は聞かなかったことにしてくれよな」

 ぽん、と軽く肩を叩かれる。

 心臓がざわざわしたまま、蒼は俯いた。

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